(問い1) 次のカタカナを漢字で書きなさい。
「足し算の“カイトウ”を書く」
このような漢字テストがあった場合、皆さんはどんな答えを書きますか?
回答、解答、解凍、会頭、怪盗…
「カイトウ」という音の言葉がいくつか頭の中に浮かんできます。
この文章を読む限り、足し算の「答え」としての「カイトウ」なので「回答」か「解答」のどちらかに絞られます。
でも、これってどちらも「答え」という意味で使う「カイトウ」ですよね。
一体どっちを使ったら良いのでしょうか?「回答」と「解答」、しっかり使い分けられますか?
私はなんとなくわかるような、わからないような…
そこで今日のテーマは「カイトウ」の使い分け。
大人として恥ずかしくないように、その使い分け方をしっかりと理解しておきたいと思います。
回答と解答の意味はどのように違う?
まず「回答」と「解答」の意味をそれぞれ辞書で調べてみました。
◆回答
質問や要求・要望に応じることや、その答え。
◆解答
問題を解いて導き出すことや、その答え。
それでは、この2つの漢字に込められた意味をじっくりと見比べてみたいと思います。
まず「回答」を使う場合。
「質問や要求・要望に応じることや、その答え」ですから、「回答」する相手は何か、というと「人」ですよね。
どちらかというと相手の質問や要望に対して「返事をする」というニュアンスが近いことがわかります。
それに対して「解答」を使う場合。
こちらは「問題を解いて導き出すことや、その答え」なので、「解答」する相手は、「問題」です。
どちらかというと問題を「解く」というニュアンスで使うということがわかりますよね。
つまり、
「回答」を使う場合は、「人」に対して「返事をする」場合であり
「解答」を使う場合は、「問題」を「解く」場合であることが理解できると思います。
したがって、冒頭の問い「足し算の“カイトウ”を書く」の答えは「解答」。
「足し算を解く」というニュアンスで使うからです。
これで使い分けのコツがわかりましたね!
回答と解答はどう使い分ける?~具体例~
ではここから実践問題です。
いくつかの具体例を挙げてみるので、
確認しながら「回答」と「解答」を使い分けてみたいと思います。
①英語の問題のカイトウを書く。
→(ヒント)英語の「問題」を解くという意味での「カイトウ」です。
②企業からのアンケートにカイトウする。
→(ヒント)「アンケート」を要望したのは企業の中にいる「人」ですよね。
ここからはヒント無しで挑戦してみましょう。
③東大の試験問題のカイトウが難しい。
④友だちからの相談にカイトウする。
⑤結婚式に出席するかどうかのカイトウ期限は明日まで。
正解は…
①解答 ②回答 ③解答 ④回答 ⑤回答
いかがでしたか?
「回答」と「解答」の使い分けのポイントは
相手が“人”なのか、“問題”なのかということと“返事をするのか”、それとも“解く”のかということ。
このポイントさえ押さえておけば今後はスムースに使えるのではないでしょうか。
まとめ
海外の方が日本語を勉強する場合、いちばん苦労するのが“読みが同じでも意味が違う”という「同音異義語」だそうです。
例えば「イシ」という言葉。
「イシがあります」
と言われた時に、石、意思、意志、遺志…など、どの「イシ」なのかわからなくて、混乱するんだとか。
日本に住んでいる私たちでさえ、同音異義語には苦労することがあるので、海外の方だともっと大変だと思います。
「回答」と「解答」も辞書を引いて、意味を掘り下げてみるとその使い分けが分かってくるように、まぎらわしい言葉に出会ったときは、その意味を一度調べてみるといいかもしれません。
そうやって、正しい漢字を使える大人って、ステキですよね!
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